この数年、幼稚園でも「食育」という言葉が注目をあびています。食育とは辞書で調べると文字通り「健全な食生活や食習慣を身につけさせるための教育」という意味です。最近は研修会でテーマとして取りあげられたりしています。幼稚園は保育園に比べ今まで食育について、それほど関心が高くなっただけに個人的にはとても良い流れだと思っています。
先日見学させていただいた兵庫県の幼保連携認定H子ども園も自園給食で地域の食材を使い、そうした生産者とのつながりを大事にしていく中で、時産地消を実践されていたようです。
食育を後はどういう形で園児達に学んでもらうかということが大事です。食べることについては園児達も先日の西瓜ではありませんが、関心も高いようです。
人間にとって「食べる」という行為はとても大事なことです。たんに食欲を満たすだけの行為ではなく、そこには様々に付随する人生を生きるうえでの喜びや楽しみがあります。
家族で食卓を囲んで話に花を咲かせたり、親子で料理をしたりすることも大事なことだと思います。人と食事を共にすることで、その人が見えてくることがあります。
私個人的には少しばかり趣味の範囲内で料理をするので、旅先で市場を覗いたりその地方の食材を食したりするのが好きですし、自宅でも食べ物に関する本は仕事の本は別としてたぶん一番多いと思います。又料理人の方の著書を読むのも好きです。現場で料理一筋に仕事をしてきた方の話は興味深いものがあります。
幼稚園での食育はその園により色々なやり方があると思いますが、本園での主な取り組みは以下の通りです。
・大篠塚に畑を借りているので、年長組は植え付けから収穫までをできるだけ体験して、生育の仕組みを学ぶ。
・園の菜園で四季折々の野菜を育てているので、子ども達に時には種蒔きや収穫してもらい、昼食時に食材として提供する。
身近に見れるので、園児達の興味や関心も高い、収穫量よりも多品種をお願いしている。
・年長組はテーブルクロスを敷き、季節により自分たちで栽培している花を飾り、食事の楽しさを味わう。
・給食は食材の安全性を重視し原則国内で収穫された食材、加工品は極力使わず、当日朝に食材から調理する。
噛むことを重視する切り方に配慮する。顎の発達を促す。
・遊びの中で、料理を楽しめる環境の充実。自然素材をふんだんに使えるように樹木にも配慮。昨年キッチンや台所用品置き場を新しく作りましたが、今年も様子を見ながら、必要なものがあれば、より充実させる。
食を通して人間が生活するうえでの問題もみえてきます。大きな視点では地球環境、細かく見れば地域の様子、地方が疲弊して田畑が荒廃する地域もあります。日本の食糧の自給率の低さはいうまでもありません。又アレルギーの問題等子ども達の未来を考えた時に食はとても大切です。安かろう悪かろうでは生産者はもとより長い目でみたら消費者にもマイナスです。良心的な生産者(農家)に寄り添いたいし、インターネットが発達した今、情報も入りやすくなってきています。食べる人も少しでも興味関心を持つことで違うと思います。食育を通して子ども達にも関心を持つ芽が生えてくれたらと願っています。
今日の給食(ハーブ提供)
松風焼き、炒り豆腐、ピクルス

園の菜園で収穫した胡瓜の浅漬け。今日は年少組で味わいました。

じゃが芋畑、いつでも収穫できるようです。今月中の梅雨の晴れ間に行きたいと思います。

年長組が5月の連休明けに植てくれたさつま芋畑です。根付き、育っています。(その時の様子は5月9日、11日付のブログに掲載)
- 2016/06/20(月) 19:30:41|
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