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園長ブタゴリラ☆ブログ

平成27年度音楽劇発表会

小春日和の中、無事に終えることができました。心残りは全員での参加ができず、特に園での最後の舞台になる年長組で緑組は全員参加できましたが、青組で2名欠席したのが残念でした。
あいにくの手狭な会場でしたが、最後まで子ども達の演技を温かく見守り、応援してくださった保護者の皆様に改めて感謝申し上げます。園児達の気持ちを考えると常日頃から親しんだ遊戯室が一番です。

今年もまた2部制にしてそれぞれの部で年少(3歳)、年中(4歳)、年長(5歳)の年齢ごとによる成長の違いを「劇」をとおしてご理解いただけるように演目を組みました、実際にご覧いただき、いかがでしたでしょうか。
私自身色々な園の発表会を見聞する中で、毎回のことながら劇をとおして「子ども達は何を学び、成長するのか」といつも自問自答してきました。とかく大人の目で評価しがちな昨今の劇のあり方のアンチテーゼのような思いもあるかもしれません。市販されたCD劇にあわせたり、時には夜遅くまでかかって作ったきらびやかな衣装を着たり、自分の細かい立ち位置まで決まり、一糸乱れぬ振り付けは日々の練習と先生の厳しい目を使えば、可能です。
しかしながら本来の子ども達の持つ特性を考えた時に、劇を通してもう一歩成長ができることが可能です。ご覧いただいたように園や保護者のための劇ではなく、自分たちの劇という思いが今日演じた園児達の表情からも読み取っていただいたことと思います。

また練習の時と雰囲気が違うことで、少し様子が違った子どもさんもいましたが、こうしたことも子どもさんの成長過程のひとつとして温かく見守っていただければありがたいです。

席上、保護者の皆さんには帰宅したら、劇の中でそれぞれに演じた役割の中で具体的な子どもさんの様子をとりあげてほめてあげるくださるようにお願いしました。こうしたことは子どもさんにとってはより自信がつくと思いますし、親が自分の頑張った点を認めてくれたんだというより深い信頼にもつながると思います。

またこの場に至るまでの過程やそれを通しての子どもさんの成長ぶりに目を向けてあげることも大事です。劇で使用した曲は間奏や効果音を含めて全て劇中の子ども達の表現するイメージに合わせるため、園独自のオリジナルの作詞作曲です。作詞はクラス担任が中心となり、作曲は本園の専任音楽講師が担当しています。特に年長組のエンディングの曲には、作詞したクラス担任がこれから卒園して小学校へ進級する子ども達への未来へのメッセージも込められています。
そういう意味で音楽講師は1月から2月の2か月間は文字通り寝食を忘れて曲作りに没頭し、担任も限られた期間で曲をマスターしなくてはいけません。それだけにやり終えた今、充実感とほっとした気持ちが交差していることと思います。ある意味大変な作業ですが、子どもへの思いが原動力だと思います。

年長組や年中組の劇は子ども達同志の話し合いを通しながら作り、時には担任が整理したり方向性を示唆したり、また子ども同士で折り合いをつけながら考えていくため、かなり試行錯誤をしたようです。
大人から見れば「劇を作るうえで話し合う」ことは一見なんでもないように思われがちですが、4歳、5歳の子ども同士が話し合いながら作ることは正直難しい面も多々あります。その土台は日々の園生活の中で友達同士が関わり、人間力を育まないと、話しあったり劇のイメージを共有することはできないと思います。
実は日々の人間同士のつきあいがないとこうした劇は作れません。
私は「行事のため保育ではなく、日々の保育の延長上に保育がある」とお話していますが、真意はそうしたことにあります。


そして自分達で劇のイメージを膨らませ、調べたり学んだりしていく過程を経て、作り上げることで園児にとっても「劇」を自分達自身で演じる大事なものとしてとらえ、役にのめり込んでいける気持ちをもつことで、舞台での演技の表現につながると確信しています。 このブログでも取り上げましたように、青組は成田市台方の「麻賀多神社」、緑組は「房総のむら」に出かけました。

毎年のことながら、子ども達の想像力や斬新な考えには驚かされます。私達保育者も子ども達から学ぶことも多かったようです。
また、こうした劇への取り組みを通じて、幼児期の年齢に応じた学びと幼稚園という学校集団での学びの場を考えるきっかけにしていただければ大変嬉しく思います。

これからも「自ら学ぶ力をつけ、学習できる力を育める幼稚園」を目指していきたいと思います。狭義の「勉強」ではなく意味のある勉強が育める園を目指していきたい思います。
幼児だからこそきちんと向き合い、子どもだからと見下げたり、親受けだけをするような保育には常々疑問を持っています。園生活はあくまでも子どもが主役であり、大人(保護者)ではありません。

今年の劇をご覧いただき、お気づきの点など教えていただければ嬉しく思います。そうした建設的な意見をいただけることは、保育へ還元される幼稚園への応援メッセージであると、常々前向きに考えていますので、是非ともクラス担任あてに忌憚なく教えていただければ嬉しく思います。

今日のこの劇を演じてくれた園児たち
応援してくれた保護者の皆様
劇のために力を貸してくれた皆様

全ての皆様に心から感謝いたします。スタッフを代表して御礼申し上げます 。

壁面はそれぞれのクラスのテーマをちりばめました。
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  1. 2016/02/27(土) 15:56:52|
  2. 行事
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コメント

今年で二回目になりますが、我が子のみならず、他のクラスの劇を見てもつい涙ぐんでしまいました。
年少クラスは一生懸命に演じている姿に、年長クラスは卒園を間近にしてみんながひとつになり自分たちの劇を懸命に作り上げている、まさに幼稚園生活の集大成ともいうべき劇への姿勢に。

子供にとっての一年というのは、本当に大きいものですね。
去年のまだまだ幼い姿を今年の桃組さんの姿に重ね合わせたあとに見た我が子の姿は、一回りもふた周りも成長しているものでした。
毎日見ていると、なかなか成長に気付きにくいものですが、
今日改めて、大きくなったなぁ…お友達と力を合わせてひとつのものを作れるまでになったんだなぁ…と感動しました。

今日まで先生方におきましては、準備等本当にありがとうございました。
また来年も楽しみにしております。
  1. 2016/02/27(土) 22:47:09 |
  2. URL |
  3. 年中保護者 #-
  4. [ 編集]

「年中保護者」さん、こんにちは。コメントをお寄せいただき、どうもありがとうございました。
小園の劇の取り組みについての温かなお言葉と深い洞察に感謝しています。スタッフにとっても嬉しい激励へのエールになります。
当日話をさせていただいたように、初めて劇を演じる3歳、最後の劇になる5歳児の間の学年になる4歳児の劇が実は一番難しいです。
4歳児は個人差もまだあり、園児達の劇への取り組みの意識の個人差にも時には頭を悩まします。
でも友達と一緒にする意識は芽生えており、気持ちもあります。クラス皆で楽しむ意欲もあります。その辺のことを劇を通して無理なく育むことが4歳児の保育では大切だと思います。
ご承知のように3歳児は自分が一番です。また極端な話、仮に演じなくても舞台に立っているだけも十分です。5歳児は友達やクラス、また観客に見せる意識もとてもありますし、思い入れの中で自分たちで練習し、進めていくこともしばしばです。こちらが抑えるときもあるぐらいです。
コメントを拝読させていただきながら、我が子の成長を素直に受け止め、感動されている気持ちは素晴らしいですね。子どもさんに気持ちが伝わっていることと思います。
何にも代えがたい子どもさんへのエールだと思います。席上、保護者の皆さんにご自宅に戻られた、具体的に褒めて欲しいとお願いしました。「年中保護者」さんはどのようなことを具体的に褒めていただいたでしょうか。ちょっとお聞きしてみたい気もいたします。愚問でした。どうか失礼をお許しください。
4月からはいよいよ年長組ですね。担任は基本的に変わりますが、クラスの友達はそのまま持ち上がります。
また保育参観や行事等機会ありましたら、ご来園いただき、子どもさんをはじめ友達が成長されている姿をご覧いただければ、幼稚園冥利につきます。
またお気づきのことなどありましたら、コメントをお待ちしております。
どうもありがとうございました。

  1. 2016/02/28(日) 14:29:01 |
  2. URL |
  3. 佐倉城南幼稚園・園長 #-
  4. [ 編集]

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