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園長ブタゴリラ☆ブログ

平成25年度入園説明会

先週23日(火)と27日(土)に平成25年度入園についての説明会を行いました。2回目の27日は土曜日ということもあり、おとうさまのお姿も多数お見かけしました。2回とも内容は同じですが、約1時間の説明会では主に園の教育方針について、幼稚園教育の根幹をなす「幼稚園教育要領」の前文をお渡しして、幼稚園での学ぶ教育について園での取り組みについてお話をさせていただきました。
市内には私立幼稚園10園、公立幼稚園3園があり、それぞれの園が園独自の教育方針のもとで頑張っています。但し小学校と違い、幼稚園は幼稚園教育要領を園がどのように解釈してどういうねらいや目的で達成するかは全く園により違います。小学校はある程度は全国津々浦々違いはそれほどありませんが、幼稚園は皆さんが考えている以上に園によりやり方が違いますので、留意が必要です。
しかしながら幼稚園は子どもさんにとっては初めての学校であり、社会集団への第1歩です。慈しんだ家庭を離れ、初めての社会生活への第1歩だけに、幼稚園入園に際し、よく考えて選んでくださることが、子どもさんにとっても何よりだと思います。園の主役は園児ですが、園児は自分で園を選ぶことができにくいので、どうしても保護者が選びます。実際に通園するのは園児ですから、大人の視点ではなく子どもが生活し、子どもが過ごすということを考慮し、大人の都合や便利さで選ぶことでないことを把握されると、見えなかった意外なものが見えてくると思いますし、それが選択の基準のひとつになると思います。

この幼児期は人として生まれ大人になる間の中で、ある意味一番楽しい二度とないかけがえのない時代です。子どもが子どもらしく生活でき、子どもたち同士で学び育ちあえるような園環境を念頭に選ばれるとよろしいかと思います。

入園説明会での要旨は下記のとおりです。
・子どもは生まれも育ちもひとりひとり違うが、共通するものが二つある。ひとつは「かけがえのない大事な命を持っている」「どの子どもにそれぞれ素晴らしいもの(良さ)がある」小園では先ずはそれぞれの子どもの良さを見つけ、伸ばしてあげたい。

・先ずはひとりひとりの子どものありのままの姿を受け入れて、その存在を大切にしながら愛することが大事。初めての社会の中では愛されていることを実感することで子どもは社会は温かいと思い、自分が大事にされ自分が必要とされ、それが自信につながり自己肯定になる。このことが「生きる力」につながる。「生きる力」がないと青少年期から大人になる時に困難になった時に乗り越えられない。

・マスコミや情報誌などで幼稚園を「お勉強系」「お遊び系」「のびのび系」「しつけ系」等安易に区別して園をとらえるが全く意味がないし、当てはまらない。幼稚園は幼稚園教育要領にも記述しているが「幼児期は遊びを通して学ぶ」と書いてある通り、遊びと勉強は表裏一体で園庭でしか学べない勉強(遊び)、机の上でしかできない遊び(勉強)をすることが基本、小学校のようなイメージで見ると前述したようなことに陥りやすい。また人間関係(心)は心身が自由な継続した時間を通した勉強(遊び)の中でしか学べない。最低1時間の連続した勉強(遊び)が必要。幼児は活動全てが遊びであり勉強。「学ぶ」ことを園がどういうふうに考えるかが大事。その際に幼児の特性を十分配慮することが大切。本園でも年長になると「文字」や「数」のワークを使うが、小学校の進級を控え、関心を持たせるのが一番のねらい。


・幼稚園ははじめての学校であり、幼稚園から中学校までの教育の中で教育要領に基づいて計画的に行われるが、小学校で行う教育と幼稚園で行う教育は連続性はあるが、年齢に応じて違う。小学校で本来するべき先取り教育を幼稚園でしてもは意味がないし、逆にそのために幼稚園でする教育ができず、おろそかにしてしまう。


・本園が教育で大事にしていることについての説明。家庭や習い事(塾)で学べない幼稚園でしか学べないことを念頭に教育する。またそのために必要な時間を大事にする。
そのためできるだけ園児にとって無駄な時間や意味がないことはしない。時間がもったいない。但し塾には塾の良さがあるので、園が終わってからは家庭の判断でかまわない。

・この幼児に学ぶべき大切な事のひとつに「心」の問題はある、特に友達との心のやり取り(人間関係)はいじめの問題のとの関連もあり今後とも重要になる。人間関係の基礎がきちんとこの時期に学べていないと青少年期に色々な形で問題としてでてくる。今の社会を見れば一目瞭然。それには心身とも自由な連続した時間を確保した中で、友達同士で遊ぶ経験をしないと人間関係は学べない。10,15分の細切れ時間では絶対心のやり取りは学べない。何故なら「ごっこ遊び自体が成り立たない」「鬼ごっこ自体が10分や15分では展開できない」
けんかするほど仲が良い。本園でも年長ぐらいになると自分達で問題解決をしていくようになる。「先生こないで、自分達で話し合うから」
遊びの中でルールを守らなかったり、友達の嫌がることをすると仲間に入れてもらえないことを学び、社会のルールを学んでいく。それは教室で口でお題目のように話すよりは、実際に園児達が体験することでしか学べない。家庭では絶対に学べない。特に少子化で地域の子ども集団がなくなった中で、大切な学びである。

・人間関係が出来ないと社会人になっても困る。仕事ができない。人間は社会の中で生きていく。
毎年、年長児を対象に知能検査をするが、頭が良い(知能が高い)というのは相手の気持ちを読むことができる。問題解決能力にもつながる。人間関係で悩むと学校生活が面白くなく、学業にも身が入らなくなる。
幼児期の学びは経験や体験から学ぶことで覚えていく。幼児がしたことを失敗とみるのではなく、次に間違えないですることへの気づきと肯定的にとらえること。「失敗したっていいじゃないか」と思い、良い経験をしたと捉える。

・本園は学ぶこと(勉強)を大事にするので、学校として必要な以外のことは原則しない。家でするべきことは家でする。個人のしつけは本来は家庭でするべきこと。今は何でも学校にお任せしたり、要求することで本来学校で学ぶことができにくい。結果的には子どもにとってはマイナス。また園児がすぐに学べるような環境を整えておくことは大事。各保育室に図鑑を一式揃えておき、すぐに調べられるよう配慮する。体験学習の大事さとその取り組みを具体的に説明。

・体操服は本園では採用していない、幼児は身体の成長が早いので、お金がもったいない。幼児が運動するのに体操服を着用する必要性はないし動く上で問題もない。幼稚園では幼児が本当に必要なことにのみ、きちんと対価をいただく。後は幼児の心身の発達に必要のないものはご家庭の負担にならないようにする。園服も市内で一番安価なスモッグです。普段は私服で登園する子どもも多い。幼児に衣服を通して、気温等天気に興味を持たせ気づかせることも大事。

・幼稚園という限られた時間の中で幼児にとって必要な教育を行うことが大事。今流行りの当たり前に行っている教育が幼児にとってどうかということを例えとして「運動指導」を例に取り上げる。日本で初めて幼児の運動にかかわる運動能力調査をもとに日本学術会議健康・スポーツ科学分科会が策定した指針の要旨を配布して、具体的に説明しました。結論として「園環境が広いと高い、運動指導しない園が高い」という調査結果が出ています。また「指導者が特定の運動教材を使わせる一斉指導ではなく、子どもの興味・関心に基づいた自発的な遊びのほうが、子どもの運動発達にとって効果的である」指摘。園での教育はインターネット等で幼児教育に関する情報が氾濫する中で何が幼児にとって必要かを説明。

・園バスの送迎について。長時間のバス乗車は子どもにとって負担であり時間がもったいないので、原則園バスは大通りを中心に運行。片道10分余計に乗車しても保育日数を1年間220日と考えると往復で4400分(約73時間)3年間を考えると膨大な時間。極力、生活道路や細かい道には運行しない。出産等の場合は可能であれば考慮する。園バスに乗車するのは園児であり親ではない。1時間乗車したら、東京までの通勤と同じ感覚、幼児にしたらどうか。

・給食を何故月曜日と金曜日にして、火、水、木曜日にしないか。きちんと教育的な理由がある。本園の教育内容についてひとつひとつ理由があり、何故こういうことをするのか、疑問があれば納得いくまで聞いて欲しい。園長として教育内容の質問は大歓迎します。

・子どもたちが自立できる教育。行事等も自分達でできるようにするように配慮。

・PTAのような組織はない。保護者の手を借りなくても、自分達で園生活ができるような教育。子ども自身がやり遂げることで、自信につながる。例えば遠足も年中、年長は職員と電車に乗車していく。運動会やオータムフェスタ等はおやじの会でお願いしている。おやじの会は任意の参加でボランティア的な自由参加、組織にはしていない。

*最後にこれからの社会を担っていく子ども達に期待し、豊かな(物よりも心)社会を作れるような大人になってほしい。それには幼児教育は大切だと思う。幼稚園を親の都合ではなく子ども中心に選んで欲しい。

・質疑応答

拙い話にもかかわらず最後までご清聴いただき、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
お伝えしたい事はたくさんありますが、後は「園長ブタゴリラブログ」にいささか書いていますので、ご参照していただければ幸いです。疑問があれば電話でも直接でも園長宛にお問い合わせいただければありがたいです。
  1. 2012/10/28(日) 23:58:04|
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